ロシア作家つながりで。
ロシアの亡命作家として有名なウラジーミル・ナボコフは
1899年サンクト・ペテルブルグにて貴族の家に生まれました。
今回宿泊したホテルを出てすぐの交差点で
「ナボコフの生家博物館まで数百メートル」というプレートを見つけて
「ああ、本当にペテルブルグは歴史ある文学の街だな~」
とワクワクしました。
行ってみると玄関にプレート表示はあるのですが
どう見てもただのオフィスビル(ビルとは言っても昔の建物ですが)。
ちょうど中から人が出てきたので
「ここはナボコフの博物館ですか」と聞くと
「ここにはオフィスと(何かの)団体があるだけだよ」と言うので
困っていたら
「まあ、博物館っちゃ~、博物館みたのもあるよ。中にお入り」
とドアを開けてくれました。
(ロシア人はよく人をからかうのでご注意を!)
中は本当に普通のオフィスビルのようで、
受付のお姉さんに促されて一室に入ると、
いきなりナボコフの住んだ部屋になってます。
パソコンに夢中になっていた係りのお兄さんがやってきて
入場料を払い、コートや荷物を預かってもらい身軽になると
19世紀末の貴族のお屋敷におよばれしたみたいな
とっても落ち着いた、ゆったりした時間が流れ始めました。
ナボコフが子どもの頃から大好きだった蝶々や昆虫のコレクションや
プーシキンの「エフゲニー・オネーギン」を英訳した時の原稿など
貴重なコレクションを独り占めしてゆっくり見学しました。
一通り見学して出ようとすると、「フィルム見る?」と。
奥の一室で生前のナボコフや娘のインタビューフィルムを
見せてくれました。
一時間ほどでしたが、とってもステキな時間を過ごすことができました。
ロシアには大きくて貴重な博物館、美術館が多いですが
見過ごしがちな小さな博物館もおもしろいですよ!