(「りすりす通信モスクワ支局」2013年11月29日号)
ずーーっと一度は行ってみたいと夢見ていた
モスクワの名所「サンドゥヌィ・バーニャ」に行ってきました!
りすりすさんに直接「連れてって?」と甘えちゃう始末(笑)
モスクワ在住のお友達たちと一緒に楽しんできました。
かつて世界的オペラ歌手シャリャーピンや
文豪トルストイ、チェーホフなども足しげく通ったという
ロシア伝統バーニャが体験できる「サンドゥヌィ」は
モスクワの中でもかなりの一等地、
地下鉄「クズネツキー・モスト」駅から徒歩5分ほどの場所にあります。
皇室付劇場に所属していた俳優、シラ・サンドゥノフと
女優、エリザベータ・ウラノワが結婚することになり
時のエカテリーナ二世女帝はモスクワ川支流の
ニェグリンヤ川地区の土地を二人に贈りました。
夫婦は当初ここに店舗付き住宅を建てる予定でしたが
夫シラの提案でロシア伝統のバーニャを建てることにしました。
1808年に完成したこのバーニャは豪華な内装や家具で
またたくまに貴族や富裕層に評判となり
モスクワの新しい社交場として人気を博しました。
その後何度も経営者が変わっていきますが
1890年、親の遺産として経営権を得たベラ・フィルサノワの
夫の意向で「モスクワがまだ見たことのないバーニャ御殿を作ろう」と
世界中を巡り当時もっとも腕のある建築家の一人と言われた
ボリス・フレイデンベルグをウィーンから呼び寄せ
世界一のバーニャ建設に取り掛かりました。
1896年に完成したこの建物はバロック、ロココ、ルネッサンス、
ゴシック、ネオクラシックの様々な様式を取り入れ
モスクワっ子の半分がこのバーニャを観にやって来たと
いわれています。
バーニャになくてはならない水を確保するため
モスクワ川から約5㎞の水道を独自に引き、
火事の際に使えるよう100mごとに消火栓を設置するなど
町の防災にも一役買いました。
ソ連時代にも伝統あるバーニャとして存在しましたが
長年荒れるがままに使用し続けたため
当初の面影を残す入口や内部の装飾は損なわれていきました。
1944年に最初の大規模な改修が行われましたが
現在1896年完成時の内装が残されているのは
男性の高級ルームのみとなっています。
この「男性用高級ルーム」にはかつてシャリャーピンが
歌声を響かせた大きなプールがあり
エイゼンシュテイン監督映画「戦艦ポチョムキン」や
「アレクサンドル・ネフスキー」の撮影にも使われました。
また、このバーニャは度々映画やドラマにも使われ
一番有名なところでは邦題「運命の皮肉」で
とっても重要な場面が撮影されています。
(「サンドゥヌィ」オフィシャルホームページより訳出ししました)
こちらがメインの入口。
ここは「男性用」の入口ですので女子は気を付けてくださいね!
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「女性用」入口は「男性用」入口から10mほど
離れたところにあります。
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建物に入りまずはクロークへ。
コートを預けて博物館のように靴カバーをもらいます。
そして1Fで入場時間を示す受付をします。
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階段を上るといきなりドライヤーやトイレのある
パウダールームになっています。
ここを通り抜けロッカーに荷物を入れ
ずらりと並んだ革張りソファーの好きなところに
自分の陣地を決めると準備完了!
ここは休憩室になっていて寝転んだり本を読んだり
お茶やお菓子を楽しみます。
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ペットボトルのお水を用意していったのですが
ご一緒した方がごちそうしてくれた
がっつりレモンを絞ったあたたかい紅茶が
沢山汗をかいた後の体に染みわたり
とってもおいしかった~☆
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このベーニック(今回は菩提樹の枝)を使った
ロシア伝統のバーニャを体験!
ロシア・バーニャは見た目は激しく痛そうに見えますが
アロマ水に浸けて葉っぱは十分柔らかくなっているので
ふぁさふぁさ~っとマッサージされる感覚で
とっても気持ちよかったですよ♪
がっつり汗をかいてお肌のなんとツルツルなこと(笑)
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ロシア・バーニャの気分を味わってもらおうと
オリジナル手作り石鹸を買ってきました。
ぜひお試しください!
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