2019年5月23日木曜日

ロシア買付けの旅☆トムスク/ベレスタ工房へ!

トムスクの中心地からタクシーで30分ほど、
大規模な工場跡地をシェアオフィスや
倉庫などに利用している地区に入居する
ベレスタ工房に行ってきました!

こちらの会社の創業は1994年と比較的新しいのですが、
1965年創業の「トムスクの達人」という老舗工房が
2007年に工房をたたむ際に
全ての製品やベレスタ細工に必要な設備や機器を譲りうけ
その伝統を引き継いだそう。
熟練の職人たちの協力を得て「トムスクの達人」の
かつての製品をすべて復刻させ、
また、新たな作品も精力的に発表しています。

タイガの森から直送された白樺の木の皮を
製品に合わせて切り分け、なめしていきます。

表面はまったく木の幹そのもの。
白樺って本当に不思議な木ですね~!

こちらは絵付け職人さん。

木の自然な幹の模様を
雪景色や川の流れ、川面の灌木などに見立てて
シベリアの風景を描きます。

こちらは年代物の型押し用のプラスチック盤。

模様を付けたい白樺の木の皮と型を合わせ、
上に金属板を乗せ、万力で圧をかけます。

「オパー!」
ちょっと見えにくいですがしっかり模様が付いています。
これにステインなどで色を付けると
より模様が浮き上がってきます。

さて、お待ちかねのワークショップです。
ベレスタには大きく3つのタイプがあります。
天然色、漂白したもの、色加工したもの。

多重ベレスタの職人さんのお部屋の壁には
さまざまな加工サンプルが。

ワークショップをしてくれると聞いて
「型押しのコースターとかかな~?」と思っていたら
「さ、これを作るわよ!」と用意してくれたのがコレ!
まさかの多重タイプのブローチです。
私にこんな繊細な作品が作れるのでしょうか・・・
まずは漂白加工したベレスタに
職人さんが用意してくれた厚紙のパターンに合わせて
キリで印を付けて行きます。

ちょっと飛ばし飛ばしでスミマセン。
自分で作業している時は一生懸命なので
写真を撮ることができなくて・・・
キリで印を付けた点と点に合わせて
大小のカーブした彫刻刀で両辺をぐいぐい押すと
透かし部分が切り取れます。
まずは一番上の層の模様を全部切り抜き、
二層目のちょっと濃い目の色のベレスタに糊で貼り付け
デザインに沿って彫刻刀を使って切り抜いていきます。
最後に、二重に張り付け厚みをだした土台に
糊で張り付けます。

ほんと、途中がぜんぜん写真なくてスミマセン・・・
これは最終仕上げに
職人さんが手直ししてくれているとこです。
大きさや色の違う様々な天然石を用意してくれて
世界に一つのブローチが出来上がりました。

「私はこの工程が一番好きなの」と教えてくれたのが
いろいろな模様の刻印での最終仕上げ。
星型や中抜きの丸型など、
一つの点にもいろいろな大きさがあってカワイイ!

天然のワックスで表面を保護します。

完成です!
途中、糊付けが乾くまで工場見学などもして
全部で1時間半ほどかかりました。
こういった透かし彫りはある程度パターンがあって
機械で型抜きしていると思っていたので
一つ一つ大変な作業を重ねて作っている現場を見て
大感動しました!
小さなお花のパーツも全部手作りなんですよ・・・。
改めて、日本にやってきたベレスタ細工たちを眺めては
愛しく感じています。