2014年5月7日水曜日

買付けの旅/マトリョーシカ製作

事前に予約を取って「セミョーノフ工場」さんで
マトリョーシカの製作過程を見学させていただきました。
この工場では遠方から菩提樹の木材を仕入れ、
温度20℃、湿度20%の倉庫で2-3週間ほど寝かせます。
よく、木材は最低2年間”乾燥させる”と聞きますが
この工場では木が”生”の状態を良しとし
柔らかく弾力のある白木を用意するそうです。

旋盤工も女性ばかり。
マトリョーシカの下の部分をいくつか作っておいて
次に同じ太さの木材を機械に設置して上の部分を作っていきます。


こちらは3個組専用の自動旋盤機。
3個組だけは白樺の木を使用しています。
こちらの機械は扱いが難しいそうで
熟練の男性職人さんが扱っていました。
白樺はセミョーノフでも豊富に手に入れることができるので
地元の木材を仕入れているそう。
外にたくさんの白樺の端切れが置いてあったので
「これがマトリョーシカになるんですか?」と聞いたところ
「これは職員で欲しい人が家に持って帰る端材よ。
この町ではまだ電気やガスが通ってない家もあるので
ペチカの薪にするの」とのこと。

白木の材料ができると倉庫で検品。
白木のまま製品として出荷することも多いそうです。

まずは白木に手でノリを下塗りをします。
ジャガイモのでんぷんか何かからできているそうです。
絵の具の乗りがよくなるのだとか。

絵付け職人たちの手へ。
顔を描く担当、模様を描く担当などに分業されています。


セミョーノフ製マトリョーシカの代表的なこのデザインは
黄色と赤色が大胆に色付けされているのが特徴的ですね。
太めのハケでぱっぱっと塗っていきます。

下地となる部分が絵付けされた後は
お花などのデザインが一つ一つ描きこまれていきます。

ニスも一つ一つ手で塗っていきます。
乾かしながら木の状態を見て3回~4回にわけて
この作業を繰り返します。


最後のニス塗りを待つちょっと大きめの赤ちゃんマトリョーシカ。
良く見ると頭に穴が開いていますね?
これは結婚式の時に新郎新婦がお客たちに
ご祝儀を催促する「貯金箱」なんですって。
今ロシアでとっても人気の商品だそうですよ。

仕上げに底に付いたニスや絵の具をきれいにします。


4個組、5個組・・・などの選別を行い出荷されます。


ここにもソ連時代の名残が・・・