北方ロシア民俗文化の保存と発展のため
1968年に創設されました。
当時すでに貴重になっていたアルハンゲリスク州各地から
集められた民芸品とアーティスト達の作品を保管した一室は
ミュージャムとして管理されていて
現在制作される製品の参考にされます。
ソビエト時代にはこんな製品も制作されていました。
電話やそろばん、当時現地の名産品だった石
(種類は聞きとれませんでしたが・・)に彫られたレーニン像など。
いずれも需要がイマイチで製造は中止されていますが
いつでも再生産の要望に応えられるよう
基本的に全商品のサンプルを保管しているのだそうです。
古いプリャールカ(糸紡ぎ車)のコレクション。
麻や綿をこの機械を使って糸にしていきます。
実はこのプリャールカの発展した地方が
現在民芸品が発展した地域でもあるのです。
まず、糸にする原料が栽培された地方では
刺しゅう技術が発展しました。
また、糸紡ぎは重要な女性の仕事ではありますが
退屈な仕事でもあったそう。
そこでこのプリャールカに絵付けをしたり
窓枠飾りの技法を取り入れたりして
各地域で独自のデザインが発展していったそうです。
この会社はモスクワを中心としてロシア全土に
製品を卸しているので「ロシアのお土産」として
見たことがある方も多いのではないでしょうか。
ロシア人にとってもこの「北方デザイン」は
「心の根っこ」のようなもので
生活の中で使用したり贈り物にも人気があります。
ミシンを器用に操って職人さんが一つ一つ刺していきます。
大きな作品は手刺しゅうと同じように丸枠を使って
丁寧に刺していきます。
勤続20年以上という職人さんも多く、それぞれの分野で
みなさん誇りをもって仕事をされているのをひしひし感じました。
木製品の絵付け部ではサンプルを目の前に
フリーハンドで職人さんが一つ一つ描いていきます。
こちらはさらに高度な技術を持った職人さんのお部屋。
アルハンゲリスク州の各地の古いコレクションをまとめた
画集を参考に、一点モノを描き上げています。
1月15日にご紹介したカルガポーリの土人形。
それまで家庭の中で細々と制作される民芸品でしたが
1967年(wikipediaロシア語版による)に
「白海デザイン社」が現地に支部工房と人材育成のための学校
を開き文化の保存と発展に尽力しています。