ボゴロツコエ工房。
(鳥がえさをついばむ動きやクマが滑稽な動作をする
アナログ仕掛けのおもちゃが有名ですね!)
買付けの度に訪れるセルギエフ・ポサードから
タクシーで一時間もかからないということで意を決し、
今回、事前に工場見学を予約して
気に入った製品をお取り置きしてもらっておきました。
結果的には全てうまいこといったのですが
実は連絡を取っていたスタッフは私との連絡のすぐ後に退職!
製品は用意しておいてくれたのですが
工場見学については「見せれるものが何もない」と言う。
木を切り出したり、彫刻をしたり、絵付けをする職人たちは
普段は各家庭で仕事をしていて
グループ見学予約が入っている時だけ
見栄えがする人数に工場で作業するよう呼びかけるのだそうです・・・
ボゴロツコエはロシア正教の大本山である
トロイツェ・セルギエフ修道院の農奴領地として
15-16世紀からあるクニヤ川沿いの村で、
古くから農閑期に木工おもちゃや修道院の木製装飾などを製作、
その腕を認められる職人を輩出していました。
1913年にはボゴロツコエ彫刻家組合を結成し
村に職業訓練校を開き技術の向上や新人育成にも
取り組み始めます。
革命後、60年代にソ連各地に広がった「伝統工芸の工場化」と
呼ばれる流れに巻き込まれ
組合は廃止され民芸品工場として生まれ変わりました。
またこのころ、クニヤ川上流にダムを作ることになり
多くの作業員や職員がこの地に住むことになり
昔ながらの木造平屋を壊しコンクリート住居に移り始めます。
地に接した生活を捨ててしまったことで
才能ある職人が輩出されにくくなってしまったという意見もある中
ソ連時代も木彫専門学校で多くの学生、職人が学び
ロシアを代表するお土産物として多くの製品を作り続けました。
特にソ連崩壊後は厳しい経営状態となっていますが
ダムを所有する水力発電所のサポートを受けて
ボゴロツコエらしい木彫の伝統を守り続けています。
(ボゴロツコエ工房ホームページより)
工場併設のミュージアムを見学していたら
一人の職人さんがたまたま工場に木片を仕入れに来ました!
大まかな成形はここで行い、あとは家に持ち帰って
細かな彫刻を施します。
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この時はなんと、家で作ってきたクマの彫刻に
土台につけるための穴をあける作業まで
見せていただくことができました!
こういった大きな機械が必要な作業をするときは
各職人さんたちが自分の好きな時に工場にやって来て
自由に機械を使えるようになっているのだそうです。
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こちらは「たまたま」絵付けをしていた職人さん。
広いスペースが用意されてますが
このときはお一人で作業されてました。
職人はほとんどが女性なので
家事をしながら家でできるこの仕事はありがたいのだとか。
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