《スバボーダ》工場の前身《パレ&Co.》社は1843年
モスクワの商人アルフォンス・アントーノヴィチ・パレによって創設。
これはロシアで初めての香水製造会社となった。
最初は小さな工場だったが品質の良さから国内外で評判を呼び
1899年にはモスクワに大きな工場を建設、
またロシア南部に香水の原料となる精油を確保するための
プランテーションを作る。
それまでは外国からの輸入に頼っていた原料を
国内で供給することで品質と生産量が安定し
ロシア全土、またフランスやドイツにも輸出する人気商品となり
1878年と1900年のパリ万博では賞を獲得、
ロシアでも数々の賞を得、ロシア皇室御用達店となる。
ロシア革命後、1917年より国営化され
《第4国営石けん製造工場》と名称を変更。
1920年代、番号を付けただけの工場名を変更するよう
数社の代表者が集まってソ連政府に請願書を提出、
これが受け入れられ《スバボーダ(自由)》工場が誕生し
同名の香水は当時の流行となった。
1930年、製造工場の専門化が進められ《スバボーダ》工場の
香水部門は《ノーバヤ・ザリャー(新しい夜明け)》工場に吸収、
モスクワで使用される石けん全ての製造を
《スバボーダ》工場で請け負うこととなる。
第二次世界大戦時は工場の一部はモスクワから疎開させ
軍需用品の生産も行った。
戦後は石けん、歯磨き粉、クリームなどの衛生製品の種類を増やし
ソ連を代表する工場の一つとなる。
ソ連崩壊後はロシアを代表する企業として成長し
2008年には創立165周年を迎えた。
《スバボーダ》工場 ホームページより(ロシア語)